ビザ(VISA)に関するコラム
「帰化」について
最近、地方行政の選挙権(市長選や地方議員選)を要望する在留外国人が多い、という報道がありました。国政はさておき、地域の住民としてその地域での選挙に参加する(地方参政権)ことは良いことであり、やがては日本もそのような方向に向かうものと思いますが、現状では参政権を得るには「帰化」する以外に途はありません。
以前に、永住と帰化の申請要件や違いについて触れたことがありますが、今回は「帰化」の具体的な手続の概要を紹介しておきます。(東京法務局の例です。地方ではやや異なる手順のところがあるようです。)
- 1.(事前相談)九段下にある東京法務局の国籍課(戸籍課)で相談をします。そこでご自身が帰化許可申請の要件を満たしているかどうか確認し提出書類の指示を受けます。
- 2.(書類準備)帰化動機書、宣誓書などご自身で作成する自信がない場合には専門家に依頼する。
- 3.(帰化申請)必要書類を揃え申請すると、「連絡票」という紙が渡されます。 これには、(1)受付年月日(2)受付番号(3)担当官(4)申請者名、等が記載されています。
- 4.(面接出頭)その後(1、2ヵ月)、面談の日時が連絡されます。(手紙又は電話)
面接出頭が一度で済むとは限りませんが、上記のように本人が最低3回法務局へ行かなければなりません。(15歳未満の者はその両親が出頭します。)
結果が出るのは、申請後、早い人では6ヵ月という場合もありますが、一般的には10ヵ月~1年を見るべきでしょう。
- <注意すべき点>
- ・ 事前相談のときに、在留期間などの要件緩和(日本人の配偶者、日本国籍の子の養育事実など)で自分に適合するものがあるかどうかを確認する。
- ・ 申請人の挙動の全てが審査対象になります。事前相談からそれは始まっていますので、どのような場面でも、言葉を荒げるような興奮気味の態度は控える。
- ・ 担当する審査官は固定的に決まりますので、好印象を持たれるように、面談時には少なくとも帰化動機など申請書類に記したことは、例えそれが他の人に作成してもらったものであったとしても、何も見ずスラスラ言えるようにする。
専門家に任せてしまえば、自分自身が一度も出頭することなく許可を受けられる永住申請と異なり、帰化申請は本人出頭が大原則です。審査の実体が入管と異なるために、要件緩和を引き出す目的も含めて偽装結婚による帰化申請を行うケースがあり、極度に緊張して挙動不審ととられると審査上非常に不利となります。リラックス(真剣さは必要ですが)して臨みましょう。